2016年8月11日(木)放送、フジテレビ系「奇跡体験!アンビリバボー」
19時57分~20時54分



毎年登山シーズンになると起る遭難事故。

日本の遭難救助は非常に優秀で、しかも「税金」を支払っているので当たり前のように思っている人もいるのだろう。「してはいけないルール」を守らず、自分勝手で悪天候だろうが関係なし、「救助されるのは当然」と思っているのは大きな間違い。


今回のアンビリバボーでは北海道のトムラウシ山で起きた遭難事故を取り上げ、なぜそんなん事故が起きてしまったのかその真相を公開。2度と同じ過ちが起きないように登山する人たちへの正しい知識を紹介される。

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・番組内容


2009年7月、北海道のトムラウシ山で、ツアー登山に参加した18名のパーティーが遭難
プロのガイドが同行していたにも関わらず、8名が亡くなるという夏山史上最悪の遭難事故が起こった。

ツアー参加者は50~60歳代で、経験豊富なガイド3名が同行し、万全の態勢で登山に臨んでいた。彼らは初日を順調に消化、2日目は雨が強まったものの、無事に山小屋に到着。しかし、山小屋は他の宿泊客で混雑しており、雨にぬれた装備を十分に乾かせない者もいた。さらに、旅の話で盛り上がり、遅くまで起きていた者も。

3日目も雨は続いていたが、一行は山小屋を出発。トムラウシ山への登頂はあきらめ、迂回ルートを経由し下山することに。しかし、一行を強風が襲い、さらには行く手を氾濫した沼に阻まれてしまう。


そんな状況に陥った一行の中には、突然奇声を上げる者や、謎の言葉をつぶやく者が現れる。明らかに精神をやられてしまった彼らに、一体何が起こっていたのか?


公式サイト
http://www.fujitv.co.jp/unb/index.html

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・事件概要

トムラウシ山遭難事故とは、2009年7月16日早朝から夕方にかけて北海道大雪山系トムラウシ山が悪天候に見舞われ、ツアーガイドを含む登山者9名が低体温症事故である。夏山の山岳遭難事故としては近年まれにみる惨事となった。

この事件では後に、日本山岳ガイド協会による第三者で構成する特別委員会「トムラウシ山遭難事故調査特別委員会」が設置され、2009年8月25日から5日間をかけ、金田正樹医師をリーダーとする4名のチームが2班に分かれ、遭難事故グループの行動、事故の事実関係を調査し、後に有識者の意見とともに報告書にまとめられた。


参照wiki



・事故の原因


7月14日~7月16日の3日間の登山ツアー。
トムラウシ山は登山者の間では昔から有名で、天候の悪い時に行く山ではないことも常識だった。登山ツアーを企画した旅行代理店「アミューズトラベル株式会社」。同行する山岳ガイドは3人は、3日間のツアー中に夜から雨になることを天気予報で知っており、悪天候が予想されたのにも関わらず、ツアーを継続した。



その理由は「ツアー中止はツアー費を払い戻さなければならない」こと。
北海道までの交通費や宿泊などツアー側が負担しなければならない。さらに3日間の内、最終日に天候が悪くなるので、通常なら往復なら9-12時間の「問題ない山」なので、そのままツアーを継続したと思われる。



悪天候の場合、夏とはいえ急激に冷え込み、真冬のような寒さにまで気温が低下する。出発の時には、夏なのにただ寒い冷え込みだったが、朝はスモークがない晴れだったためツアー参加者は軽装で出発してしまう。



気温が普段より低いことで体調をツアー参加者には体調を崩す人が続出。
7月15日、予報より早めに朝から雨が降り出し、次々動けない人が出ても、すぐ引き返すことなく、ガイドたちは「休憩させて回復を待つ」ということだけを繰り返した。雨が降り出し、悪天候になってもツアーを継続。この判断が事件を大きくしまう結果となる。



7月16日、雨が断続的になった事で、通常の迂回ルートを進みながら、下山をすることを告げるが、ガイドとのコミュニケーションが取れていなかったことがバラバラに行動を起こすことになってしまう。


心身共に疲れ果て、山頂下の北沼に到着。
携帯電話の電波が届く場所まできて、一人のツアー参加者がようやく警察に遭難したことを告げることが出来る。ツアー客はガイドに不信感を抱いており、バラバラに行動を始める。全員で集まることはなく、それぞれが下山を開始。動けなくなったものを置き去りにしたり、遭難被害を出したことも全員に伝わっていなかったのだ。




・バラバラに行動した理由


今回の事故が大きくなったのは、客の要求でガイドが「動ける者は出発し、動けない者はビバーク(登山やキャンプなどにおいて緊急的に野営すること)にはいる」と決定したこと。



ここで団体行動を辞めたことが事件を大きくした原因と言われているが、18人全員が入れるビバークがなかった。


すみやかに「危難から逃れたい」と願ったツアー客が下山を開始。低体温症になっていて動けなくなったものを残し、それぞれが行動を起こす。ガイドもすでに低体温症にかかっていた。



途中に山小屋のない中、約10時間の歩きに横殴りの暴風雨。
引き返すこともしないで先を急いで、指示もなくただその場に一時間半も全員を待機させる。寒さの中で体力を消耗しており、そんな中ガイドを信用しろというのは難しいだろう。



バラバラになってから、ガイドはいち早く下山して「救助を要請しなくては」と先をドンドン進んでしまう。そして、警察の遭難救助が開始されたが、登山者9名がこの世を去った。





・警察の捜索費用




通常、山岳遭難での捜索・救助には警察や消防署などの公的機関が担当する。その場合、捜索・救助費用は全額無料(税金を支払っているため)になる。その際、ヘリコプターを何機飛ばそうと何時間も捜索しても無料。国民・市民を救助するのに、お金を取る国や自治体はない。




登山者が多い有名な場所(富士山など)を管轄する県警には、普通、警察の山岳救助隊があり(富山県警山岳救助隊のようなもの)ない場合は、普通の警察官が捜索・救助に当たる(低山や登山が容易な山では地元の消防署や消防団が担当する)。

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しかし、諸事情により遭難者の家族等の承諾を得た場合、民間の山岳救助隊を動員することがあり、その場合は民間分は有料になる。(ボランティアは別)


諸事情とは、警察や消防などの行政による捜索は、その人数や捜索範囲に限界があり、そ一刻も早く救助したいと考えた場合、民間にも依頼というケース。大学生がスキー場などで遭難したとき学割という形で、半額になる場合もあった。民間の山岳救助隊に依頼する場合、どのくらいの捜索規模にするかは、依頼主が最終的に判断することになる。




・トムラウシ山遭難事故

ツアー会社、ガイド、登山客、皆が皆、他人まかせで「なんとかなる」と判断を誤った。
全員が山を侮った結果が最悪の形になってしまったのだろう。自分が生き残る事で精一杯で、集団は個へと変貌し、悪い方へ、悪い方へと転がり落ちる。



不幸な事件だが、今回の放送では、高齢者の無謀な観光登山が2度と起きないようにするための教訓として、事件概要の詳細が公開される。

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