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大相撲の舞鶴場所で市長が倒れた際、女性が土俵に上がったことが大問題になっている。

 

女性が上がってはいけない神聖な場所とされてきた土俵で、市長が倒れ、そこに救命女性が土俵に上がると、その救急女性をみたアナウンスで「女性は降りて下さい」とされたことが物議を呼んでいる。

 

 

 

女性が土俵に上がってはいけないというルールはいつ誰がどんな根拠で決めたか?

 

今回は、相撲の土俵に女性禁止の理由についてまとめてみた。

 

■目次

相撲土俵は女性禁止

過去に女相撲の大関「若緑」という女性力士がいた

相撲協会の失態

日本の信仰や風習で女性禁止とされている(されていた)場所

相撲という文化

 
相撲土俵は女性禁止
 

 

 

そもそも日本の「相撲」は、男性がつくり、男性がルールを決めてきた興行娯楽。江戸時代から始まり、何百年とそれを男性が守ってきた。

 

「相撲」は日本の文化なので、その文化を守るために、土俵は女性禁止というルールが守られてきた。過去には大阪場所で、当時の女性知事が表彰式で土俵に上がることを拒絶された。一部では、神道との関連がある言われている。

 

平等であるのは「機会」「判定」の平等であって、「男女が一緒に競技をする」ことでは男女平等ではないし、文化は「普及する」ものであって「普及させる」ものではない。

 

今回の女性が土俵に上がったことは、人命救助という緊急時だったことではあるが、上記のように「女性は土俵に上がらないでください」といった意味は、相撲協会が人命救助をするなという理由を根拠にアナウンスしたものではなく、守られてきた文化のためにアナウンスしてしまったと思われる。

 

 

かつては、軍艦や戦闘機にも女性は乗せないという軍隊の規則はあったが、それは男尊女卑があった時代。

 

もちろんそれを「なくしていく」ことは、現代であれば自然な流れではあるが、それは誰かが「なくそう」といって初めてなくなるものであって、言われない場合は古くからの慣習伝統が保持されたままになるのが普通。

 

今回の場合は、土俵に女性が立つ機会自体がないので放置されていた文化がアクシデントで久しぶりに注目されることになった稀有な例のひとつであると考えられる。

 

 

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過去に女相撲の大関「若緑」という女性力士がいた
 

 

 

実は、女相撲の大関「若緑」という四股名で活躍した女性のいた。

大相撲に入門した訳ではないが、若緑は二十数人いた女性力士の頂点に立ち、大銀杏を結って各地を巡業していたそうだ。プロフィールを調べてみると身長1m55㎝、体重75㎏で、草相撲レベルの男性には負けなかったと言う。1941年には引退したが、問題は別にある。

 

1957年、高砂一門の地方巡業で、第4代高砂親方(元横綱前田山)が、大関「若緑」のために引退相撲を開催。この時、大関「若緑」は、紋付きの着物を着て土俵入りし、勧進元あいさつも無事務めた。

 

当時の新聞にはその時の写真と、化粧回し姿の大関「若緑」の勇姿も掲載されている。

 

このように地方巡業とは言え、女性が大相撲の土俵に上がった前例がある。
女相撲は江戸時代から昭和初期までは多くいたそうだが、興行収入がへり徐々に衰退。昭和30年過ぎに完全に消滅したそうだが、女子プロレスが女相撲の後継だと位置づける人もいる。

 

若緑はどちらかというと、女子プロレスラー的な扱いを受けていたが、このように文化を守るといいながら、女性を土俵にあげている過去があるので、今回の人命救助をした女性へ「土俵を下りて下さい」というアナウンスは、相撲協会の失態といえる。

 

 

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相撲協会の失態
 

 

今回は、救命で女性を土俵に上げないことが問題なのではない。

 

「このような緊急事態にどう備えるか?」

こういったことを想定していなかったことが、問題。

 

土俵に女性を上げない伝統を本当に守るなら、舞鶴巡業での緊急事態のような場合、医療従事者を男性おいて整えて入れば分かって入れば何の問題もなかったこと。場違いに聞こえたアナウンスも、観客から見れば何が起こっているのか全く分からず、「女性が土俵に上がっている姿」ことでアナウンスするのは異常。

 

協会側から見れば、土俵に上がった女性は医療従事者か救命医療に心得がある女性だったのか、巡業関係の事務の女性か、判断することを怠った。

 

 

結果、あのようなアナウンス。
必要異常にバッシングする必要も騒ぎを大きくする必要もないが、女性禁止というワードが大きな問題として取り上げられる結果となった。

 

 

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日本の信仰や風習で女性禁止とされている(されていた)場所
 

 

・山岳「霊場」

 

・仏教「山岳修験道系」

 

・富士山 (江戸時代後期より解禁)

 

・立山 (1872年(明治5年)より解禁)

 

・白山 (1872年(明治5年)より解禁)

 

・比叡山 (1872年(明治5年)より解禁)

 

・御嶽山 (1877年(明治10年)頃より解禁)

 

・高野山 (1904年(明治37年)より解禁)

 

・出羽三山 (1997年(平成9年)より解禁。ただし男女別の修行期間がある)

 

・石鎚山(愛媛県)
現在はお山開きの7月1日のみ女人禁制。

 

・大峰山山上ヶ岳(奈良県)
山体全域が対象で、登山道には大きな看板が立つ。反対運動あり。

 

・後山(道仙寺奥の院)(岡山県)
後山中腹にある母御堂から奥の院に至る行者道が女人禁制とされている。登山道は別にあり、後山への登山は女性でも問題ない。

 

・沖ノ島
男性でも上陸時に精進潔斎が必要。

 

 

■女性が参加できないお祭りや仕事

 

・田名部まつり(青森県むつ市) – 近年、女性がヤマを曳くことは許されているが、基本的には女人禁制であり、ヤマに乗ることは許されていない。

 

・竿燈(秋田市)

 

・祇園祭(京都市)の山鉾
一部の山鉾には女性の囃子方がいるが、巡行の先頭に立つ長刀鉾などは女人禁制。

 

・博多祇園山笠(福岡県)
ただし小学生以下の女児は男性同様の扮装(締め込み)で参加を認められる。

 

・岸和田だんじり祭
女性がだんじりを曳くことは許されているが、だんじりに乗ることはできない。

 

・鉱山(山師)
近代の炭鉱では、慣習が途絶え、女性も坑内作業に従事するようになる。

 

・工事中のトンネル内(山師)
現在は女性技術者もおり、問題となることはない。

 

・酒蔵(杜氏)
現在は女性杜氏もいる。

 

・大相撲の土俵(力士)
現在でも継続されており議論されている。

 

・歌舞伎
歌舞伎の創始者とされているのは女性であるが、各地で歌舞伎劇と売春を兼ねる集団が出現するなど風紀上の問題から、女人禁制となり、現在に連なる男性のみの「野郎歌舞伎」となった。

 

・能楽
能楽協会への女性能楽師の加入は1948年に認められた。
日本能楽会への加入は2004年に認められた。なお、日本能楽会の構成員は重要無形文化財「能楽」の保持者として認定(総合認定)されている。

 

 

※他にも女性立ち入り禁止であった神社・霊場は多数あり。
相撲の土俵も、一つの神域・霊場とされている。

 

 

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相撲という文化
 


 

神事をとり行って降神(神様をお迎え)したからには、土俵は神場に当たる。

 

女人禁制なのは文化としての決まりではあるが、救助しようとした女性を責める事はできない。それよりも現場にいた男性職員が何をしていたのかが問題。

 

管理人は特に信仰は持っていないが、伝統に敬意は必要だと思える。
昔からの伝統や文化に、今の常識を振りかざしても意味はないし、そういった『しきたり』も含めての「大相撲」という文化なのだろう。

 

大相撲協会が不甲斐ない事と、今回の件を混ぜて考え、伝統やしきたりを軽んじる風潮は、何となく違和感を感じるが、相撲協会の対応の甘さは露呈する結果になったとはいえる。

 

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