サラスターン 事件の犯人  (4)
2020年1月26日(日)放送、フジテレビ系「日曜THEリアル!・世界法廷ミステリー」暴かれた完全犯罪
20時00分~21時54分




2016年12月に起きたサラスターン事件の完全犯罪が暴かれた真相を特集。



完全犯罪とは、その犯罪自体が世の中に知られないもの。

なので、このサラスターン事件は完全犯罪だというものは完全犯罪と言えない。(日本では「三億円事件」「グリコ・森永事件」等)



例えば、犯行時点では証拠を残さない犯行を行ったとしても、時効までに科学が発展して犯行時点では証拠とならないようなものが証拠として発見される可能性が出てくる。(DNA鑑定など)なので、本来の完全な完全犯罪というものはそんな事件があったこともわからないものを指すのだが、証拠や手掛かりが一切なかったサラスターン事件が特集されるので、事件の概要についてまとめてみた。





■目次

サラスターン事件とは
サラスターン事件の犯人
日本における完全犯罪
なぜサラスターン事件は証拠がないのに有罪になったのか?

サラスターン事件とは



サラスターン 事件の犯人  (2)




2016年12月、米・ニュージャージー州で19歳の女性・サラスターンが姿を消した。

橋の上にはサラの車が残され、彼女の姿は見当たらない。警察は自殺の可能性も視野に入れ捜索を開始。サラは4年前に母親を亡くして以来父親との関係に悩み、町を出る準備をしていたという。また、行方不明になる当日に銀行で大金を下ろすサラの姿も防犯カメラに映っていた。さらに自宅近くの防犯カメラには、怪しい人物の姿も―。しかし、これ以上の手がかりは見つからなかった。


だが1年後、サラはいまだ行方不明なのに“殺害”容疑である人物が逮捕された…。




公式サイト





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サラスターン事件の犯人



サラスターン 事件の犯人  (3)





なぜ犯人は、橋の真ん中に車を放置したのか? 


橋から身を投げた可能性もあった。車の持ち主はサラ・スターンという19歳のピザ店で働く女性だった。警察はサラの自宅に直行するが応答はない。家には誰もいなかった。




実はサラの母親は3年前にガンで他界しており、この家はサラと建設関係の仕事をしていた父親の2人暮らしだった。父親はこの日、恋人とフロリダに旅行に行っていて、サラが留守番をしていた最中に行方不明となった。



19歳のサラの失踪に人口5000人の小さな街は騒然となり警察やボランティアによる捜索活動がはじまった。聞きつけた父親もフロリダから急きょ戻り捜索に参加するが行方がわからない。川の捜索もはじまったが流れが急でサラを発見することはできなかった。



警察の調べによりサラの失踪直前の足取りが明らかになった。
失踪当日の午後2時53分、銀行の防犯カメラにサラの姿が映っていた。彼女はこの銀行の貸金庫に290万円ほどの現金を預けていた。なぜそんな大金を彼女が持っていたのか? 実は半年前、サラは幼なじみの男性リアムと共に母親の遺品整理を行った。すると箱の中からこの290万円を発見。箱には「サラのために」と書かれたメモが入っていた。母親がサラの将来ために40年かけて貯めたお金だったのだ。サラはそれを父親には言わずに銀行の貸金庫に保管していたという。







彼女は失踪当日この290万円の中から75万円を持ち出していたのだ。サラの近所の防犯カメラには銀行を出たサラの車が自宅に戻る姿を捉えている。そして深夜11時45分再びサラの車が家を出たまま彼女は行方不明となった。その数時間後に車が橋の上から発見された。




失踪なのか? 自殺なのか? 事件なのか? 警察はリアムに話を聞いた。

するとリアムは「サラが父親との関係に悩み、家を出たがっていた」と語る。 サラの父親は株の投資で失敗し、サラのお金をくすねるなどトラブルになっていたというのだ。 サラは父親と離れカナダに住みたいと語っていたという。さらに近所の人は失踪直前サラから母の遺品を預かってもらいたいと打診を受けたと語る。 父親との関係に悩んだサラの失踪だったのか……だとしたら銀行から持ち出した75万円はカナダ行きの資金とみられる。




一方で、サラのもう1人の幼なじみの男性プレストンもサラと父親との確執について語り、思い悩んだサラが自殺した可能性もあると示唆した。ちなみにこのプレストンはサラに恋心を抱いていて、片思いだったという。



捜査を進めていた警察に1本の通報がかかってきた。
その内容は“自分の友人が行方不明になっているサラを殺したかもしれない”というものだった。 通報者はアンソニーと名乗る駆け出しの映画監督だった。実は、サラが失踪する1週間前に高校の同級生が、女性を殺害し、橋の上から遺体を投げ捨てるという殺人事件のアイデアを映画にしないかと持ちかけてきたというのだ。 その同級生の名は「リアム」という。




そう……サラの幼なじみのリアムだった。



警察はアンソニーにおとり捜査に協力して欲しいと要請。彼は承諾した。
おとり捜査はアンソニーの車に隠しカメラを設置しリアムを呼び出し、以前話していた映画のアイデアとサラ失踪事件が似ていることをさりげなく聞き出すという作戦だった。そしておとり捜査決行の日、リアムはアンソニーの車に乗り込んできた。以下がリアムとアンソニーのやり取りである。



リアム:「久しぶりだな」 アンソニー:「タバコいるか?」 リアム:「いや やめたんだ」 アンソニー:「最近どうしていた?」 リアム:「警察から逃げているんだ。サラを殺したんだ。警察から何度も尋問を受けて。サラは貸金庫に古い紙幣の大金を預けていたんだ」

サラスターン 事件の犯人  (1)




その殺害告白はあまりに唐突だった。

映画に話を向けるわけでもなくリアムはごく自然に語り出す。

失踪当日サラはリアムと一緒に銀行に行き、サラが窓口で金を持ち出すとき、リアムは車で待機していたという。そして一緒にサラの自宅へ戻り、その直後に殺害に及んだ。 リアム:「銀行から戻ってきて、彼女の自宅で金を数えた。彼女が部屋から出て行こうとしたとき、首を絞めたんだ。 俺にとって計算外はサラの犬だった。あの犬は俺が殺しているのをじっと見ていたんだ。あのくそ犬が!」 警察はこの映像を入手し、サラ殺害容疑でリアムを逮捕した。



遺体なき殺人事件の評決は… 迎えた裁判で、殺人罪を主張する検察に対し、リアム被告の弁護側は無罪を主張。 理由は「遺体が見つかっていないのに、殺人事件と言えるのか」というものだった。遺体が見つかっていなければ犯人のDNAも指紋も検出できない……サラが殺害されたことを示す物的証拠はないに等しかった。




検察側はリアムの同級生のアンソニーが撮影した映像を法廷に流した。
だが弁護側は「リアム被告は映画のアイデアを話しているにすぎない」と主張する。無謀な主張にも思えるがリアムの心の中を証明するすべはない。 検察にはもう1つ決定的な切り札があった。証人として現れたのはサラに片思いをしていたプレストン。彼はリアムに電話で呼び出され遺体遺棄を手伝うよう指示されたという。


殺害告白映像と共犯者の証言……陪審員の評決は全員一致で「有罪」。


リアムには終身刑が言い渡された。 サラとリアムとプレストンは幼なじみの仲良し3人組だった。偶然にもあの大金を発見したことから関係は壊れてゆく。皮肉にも娘のために遺した大金が悲劇をもたらすこととなってしまった。 番組ではリアムの殺害計画、アリバイ工作の全容を暴く。そして視聴者のみなさまには殺害告白映像のリアムの顔を見ていただきたい。金が人間を狂わせる……それをまさに目の当たりにできるだろう。



東洋経済オンライン




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日本における完全犯罪







事件が発生し、警察が捜査したのに犯人が見つからず、時効になったものは全て「完全犯罪」と言えなくもないが、死刑に相当する殺人事件、強盗殺人事件に関しては、時効がなくなっているので、理屈の上では「完全犯罪」は存在しない。




それ以外の犯罪では、時効15年は30年に、10年は20年へ、5年は10年に伸びた。


この時効が成立すると「完全犯罪」。

日本の犯罪は長期的に見ると減少の方向だが、検挙率は年々減少しているので、「検挙できていない犯罪」が増加しているともいえる。



1989年に初めて50%を切り、2007年には31・7%まで減少。これは犯罪の多様化、複雑化、高度化が進んでいるため、先進国の中ではアメリカと検挙率最下位を争っている。





「完全犯罪」の定義にもよるが、一つは、犯罪があったにもかかわらず、犯罪そのものが発覚していない状態のこと。二つ目は、犯罪(事件)そのものは明るみに出たが、犯人が見つからない状態のこと。




「完全犯罪」という言葉はたぶん「探偵小説」から出てきたのだろう。
このサラスターン事件は、警察は犯人が分かっていて、証拠が無いので犯人逮捕に至らなかったケース。証拠が発覚(事件があったような形跡がある)した時点で、サラスターン事件は「完全犯罪」ではなくなっているといえる。





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なぜサラスターン事件は証拠がないのに有罪になったのか?







日本の裁判では、状況証拠だけで、有罪になることはほぼない。

証拠には直接証拠と間接証拠(状況証拠)があり、直接証拠というのはほぼ自白か目撃証言のこと。つまり、状況証拠だけで有罪になるというのは、雑にいうと、目撃者がおらず自白もないのに有罪になるということで、そういうことはある。




もう少し説明すると、証拠には「信用性」と「証明力」があり、「信用性」は証拠の中身が本物で信用できるか、「証明力」は、(証拠が本当だとして)犯罪をどれぐらい強く立証できるかというもの。




直接証拠は、信用性さえ確実なら、犯罪そのものを証明でき(例えば「私がやりました」「あの人が刺したのを見ました」とか)状況証拠は、「その証拠が間違いなく信用できる」としても、たとえ犯罪の証明に非常に近いとしても、まだ他の可能性が残るので推認で埋めないといけない(「凶器のナイフに残った被告人の指紋」、「被害者の返り血が付いた被告人の靴」など)。




しかし、信用性を考慮すると、状況証拠の方が直接証拠よりも強いことはよくあるので、状況証拠だけで有罪になることもある。このように、状況証拠だけでも有罪となる可能性は十分にあるのだが、裁判全体の数として、否認事件より自白事件が多く、状況証拠のみで有罪となる数は決して多いとはいえない。



だが、アメリカでは「警官が犯行を見た」と言えば有罪。これは万国共通だけど、アメリカのがより権限がある。その場で犯人を射〇しても、ほぼ100%正当行為と見なされるし、もはや、状況証拠だけで有罪とかそういうレベルではない。





完全な証拠、なんてアメリカで揃うワケもない。
不法移民がわんさかいて、どこの誰とも判らない犯人が事件を起こすので、冤罪も多い。でも、善良な一般市民が冤罪で捕まるワケではない。日ごろの態度素行が悪いから疑われるのであって、冤罪と言っても危険分子を隔離するという点では、治安維持に貢献している。



もし、サラスターン事件が日本で起きていたら、どうなっていただろうか?
通常、刑事裁判では、物的証拠、状況証拠、自白の3つの要件のうち、2つ以上の証拠が揃わないと有罪判決が難しいといわれている。



したがって

・凶器や遺体以外の物的証拠がある

・供述に一貫性や合理性がなく,また虚偽であることが証明できる

・殺人を犯すに足る合理的な状況がある

・殺されたと判断するに足る状況や物的証拠がある


などの場合は、有罪になるが、現実問題として、サラスターン事件のような事件が日本で起きれば、公判維持はかなり困難を極めるだろう。









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