人を眠らせる犬はやらせ (1)
2020年2月19日(水) 放送、TBS系「ワールド極限ミステリー」
21時00分~22時57分





見つめただけで人を眠らせる犬に銀シャリが挑戦。
瞬間的に人を眠らせるという催眠術は、テレビでもこれまでに紹介されているが、催眠術はれっきとした心理学の技術であって実際に存在する。



確かに、テレビの催眠術も起きている現象自体は胡散臭い。

例を挙げるとシャーマニズム・霊媒・悪魔祓い等も根本の技術は変わりはない。被験者をトランス状態という通常の意識とは異なる状態に導くことで、被験者に一瞬の驚愕を与えその間に暗示を刷り込むというものと類似している。




はたして犬が人を眠らせることが本当にできるのか?





今回は、人を眠らせる犬はやらせかどうか検証してみた。




■目次

ワールド極限ミステリーとは
人を眠らせる犬とは
イギリス人はオカルト好き
人を眠らせる犬「催眠犬」はやらせ?

ワールド極限ミステリーとは



人を眠らせる犬はやらせ (6)






『ワールド極限ミステリー』はTBS系列での日本のクイズドキュメンタリーバラエティ番組。世界各国で起きた事件や事故を再現ドラマ形式で流し、VTRの途中に先の展開についてのクイズを出題しながら紹介していく番組。


放送内容

◎驚異!人を眠らせる犬がいた
イギリスの人気タレント発掘番組に出演した犬が驚きの能力を発揮して、全英が騒然となった。 その犬は見つめるだけで人を眠らせることができるというのだ。果たして本当か?銀シャリの2人がイギリスへ飛び、その犬と対峙。見つめられると驚きの現象が。


◎夜中に飛び回る謎の物体
日本のある地方で謎の映像が撮影された。夜中に不思議な物体が部屋の中を飛び回り、どこへともなく消え去ったという。番組スタッフが定点カメラを設置すると不思議な現象が撮影された。果たしてそれは一体?




◎伝説のUMA、カッパの謎を追う
的場浩司が伝説のUMAの真実を追う。カッパにまつるわる古文書や伝説が残る土地を訪れ、カッパを大捜索。カッパが現れそうな川の近くに暗視カメラを仕掛け、カッパが潜んでいると考えられる洞窟にも潜入。


何事にもマジに熱く体当たりする的場。マングローブの森の中で不思議な現象を目撃する。カメラに映っていたものとは?


公式サイト




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人を眠らせる犬とは




人を眠らせる犬はやらせ (5)




人を眠らせる犬とは、イギリスの番組「The Daily Mail」で紹介された犬の名はプリンセスちゃん。


飼い主は、ウェスト・ヨークシャー州リーズに住むクリスティーナ・レノンさん。ちなみにクリスティーナさん自身も、3人の子どもを育てながら、催眠療法士として活動している。



番組では、プリンセスちゃんにじっと見つめられるだけで、を失うかのようにして催眠状態へと導かれてしまうことで「催眠犬」として2014年に話題となったが、催眠術にかかる人は「効きやすい人」「効きにくい人」がいるため、「犬がこんなことをできるはずがない」という意見が多く、やらせを疑う声が多かった。

人を眠らせる犬はやらせ (6)

現在は、人を眠らせるショーを各地を回って披露しているが、ショーを見ている観客もやはりやらせを疑う人もいるという。



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イギリス人はオカルト好き







イギリス人は昔からオカルト好きというかファンタジーが大好き。

日本では子供向けと解釈されがちだが、イギリスではエンタメの一環としては大いに楽しまれている。



例えば「ハリーポッター」などの魔法に関しては、宗教学や社会学的に研究され、そういう博士もいるほど。でもこれはあくまでも学問であり、過去にこういう事実がこの国であったという正確な記録を残すため、なぜこういうことが起こったのか理解するため、後の世の人々に伝えるため、というのが目的。


妖精の概念とか、ファンタジーの基礎知識は持っているので、ハリポタに「ドビー」が出てきくるけど、あれもイギリスに古くから信じられている妖精の言い伝えがある姿かたちをしている。




つまり、好き嫌いというより、そういった世界観に理解がある。


一方、アメリカはキリスト教徒が強い力を持っているので、そういうファンタジーに理解がない。死んだら無になるのがキリスト教なので(輪廻転生の概念が無い)そういう世界の生き物がいるとか、「ウソ」ということになりそれが神様への愚弄になる。



だからハリポタについて、キリスト教の団体が噛み付いたりしている。
「オカルトそのもの」をそのまま本気で信じてしまうのではなく、魔法で惚れ薬を作ったり、錬金術でホムンクルスを作るなど、誰も本気で信じていないが、学問として歴史や発端、そしてそれが社会に与えた影響を研究していくと面白いものが沢山出てくるので、それを大学で研究する人たちは沢山いた。


恐らくこれはイギリス国内だけでなく、ヨーロッパ全土に同じことが言える。

現在でも金持ち向けの不動産紹介には、その物件に幽霊が居るかどうか書かれている。しかも「幽霊付きの物件」という表記の方が、値段が高いそうだ。幽霊が出ると評判のアパートは、入居の順番待ちもあるとか。


建物にお化けが出るというと、日本だと事故物件扱いだが、イギリスではむしろプレミア価格になるほどホラー系好きなイメージがある。






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人を眠らせる犬「催眠犬」はやらせ?



人を眠らせる犬はやらせ (4)


人を眠らせる犬「催眠犬」は本当なのかどうかは別として、催眠術は存在する。


催眠術は日本でも何十年も前から医療や臨床心理の現場で利用されてきているもの。
例えば催眠に関する学会としては「日本催眠医学心理学会」「日本臨床催眠学会」などがあり、これらは内閣所管の日本学術会議の登録団体でもある。医療の現場では催眠療法は医療保険の対象になり、診療報酬点数の分類で「I004 心身医学療法」というものの一つになっている。





催眠術とは「暗示の作用が高まる変性意識状態という特殊な心理状態に導き暗示を与えること」。


意識は「顕在意識」と「潜在意識」という二重構造になっていて、顕在意識は現実に接している意識であり、それは「気付く」という働きを見せる。あることに“気付いている”というのは顕在意識の活動。顕在意識は情報を収集しそれを選別し、また可能性を探り決定や判断をする。



その背後で顕在意識を支えているのが潜在意識(無意識とも言う)。

潜在意識には顕在意識上には昇らない莫大な記憶がたくわえられており、寝ているときも活動し、見えないところで私たちの精神活動を支えている。顕在意識が氷山の一角であるならば、潜在意識は水面下にある見えない部分であるといえる。




人は通常、情報は顕在意識の検閲を受け、その顕在意識と言うフィルターを通した情報で判断し行動を選択する。催眠では、直接潜在意識に働きかけを行い、潜在意識を取り巻いている顕在意識を部分的に休ませることが必要。それができれば誰でも催眠術をかけることはできる。




しかし、人を眠らせる犬は瞬間催眠術を用いている。



瞬間催眠術を簡単に説明すると、例えば「るろうに剣心」に出てくる序盤における剣心最狂の敵・鵜堂刃衛は、二階堂兵法という剣術を使い、「いすくみの術」という瞬間催眠術で相手を不動金縛りにするという表現があった。



人を眠らせるという瞬間催眠術ができるなら、相手を不動金縛りにするこの瞬間催眠術もできることになる。



しかし、催眠術はあらかじめ暗示にかかりやすい人に催眠術をかけて、その記憶を消して、キーになる言葉を発すると、ようやく催眠状態になるので、そうなれば動けなくなることはできる。漫画の表現だからオーバーに表現はしてあるが、現実に瞬間催眠術をかけるなら、上記の手順を踏まないと動けなくするといったことはできない。




人を眠らせるという催眠誘導とは、被験者を深いトランス状態へ誘導するための暗示文を読み上げたりする。(リラックスさせたり意識を内部へ向かせるもの)テレビなどで芸能人に対して行っている「除霊」なども催眠の類と考えられ、その場合「集団で被験者を囲みお経を読む」という行為が意識を内部に向かせその役割を果たしている。



要は被験者をトランス状態に入れることができなければ瞬間催眠術はできないし、催眠誘導などの細かいテクニックまで必要なので、とても犬ではできない。




まとめると、人を眠らせる犬は上記の準備催眠ができないので「やらせ」。

しかし、犬を抱いている飼い主が催眠術をかけていたら、人を眠らせることは可能。無意識下の状況での催眠は酔っ払いと同じである程度暗示の部分もあるだろうが、人を眠らせる犬がやっているような意識がはっきりした状態でも催眠にかかっているようなものはすべてヤラセとみていい。




これが実際にできるようであれば、いくらでも犯罪に利用できる。

しかしそのような事件や事故がこれまで一件も報告されていない事実を見ても、このような催眠術がインチキである証拠といえるだろう。







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